かかわり いろいろ

 

   

   時間をかけて

   今、密にかかわっている子がいます。
   その子が伸びないと、全体が先に進めないのです。
   かといって、「やれーっ」では伸びません。
   劣等感の固まりになってしまいます。
   力の差は歴然、本人も氣づいています。
   周りの子は、馬鹿にしたりしません。
   チームメイトとして、協力しています。
  
   10マスかけ算、もう少しで全部の段10秒切れます。
   驚異的な進歩です。
   スタート時点では、1列1分かかってもできなかったのですから。
   ここまで来るのに、1年かかりました(笑)
   九九は、半分も覚えていませんでしたから。
   しかも、間違って覚えているものも多かったのです。
   ようやくここまできた…
   感慨深いです。
  
   音読も、上手になってきました。
   作文、ノートに書くようになりました。
   SOHRAN、どこに出しても恥ずかしくないレベルです。
   以前のその子を知る人が見たら、驚くと思います。
  
   時間ですね。
   どうしても、時間のことが氣になります。
   はやく伸ばそうと思ってしまいます。
   そうすると、逆効果なのです。
   「急がば回れ」
   至言ですね。
  
 

   矛盾の同居

   その子の成長を待てるかどうか…
   難しい問題ですね。
   待つと人は、何もしないことが多いです。
   結果として、その子は成長しません。
   待たない人は、ひっぱります。
   自分にその子を合わせます。
  
   待つけれども待たない
   待たないけれども待つ
  
   この矛盾が同居しないと、子どもは伸びません。
  
   ちょっと、ペースを上げます。
   プレッシャーを感じると、ダメなのです。
   その子は。
   とたんにできなくなります。
   待っていると…
   何もしません(笑)
  
   私がその子にしてきたことは…
   ・時間をかける。
   ・同じことをくり返しやらせる。
   ・ほめ続ける。
   ことでしょうか。
  
   このところ伸びてきたので、ちょっと刺激しました。
   とたんにブレーキ。
   まだ、時期尚早でした。

  その子を見て その子に合わせて
  
   やっぱり、原点に戻ってきました。
   とどのつまり「その子を見て その子に合わせて」です。
   それしかありません。
   今の私には。
   あたりまえのことかもしれませんね。
   「その子を見て その子に合わせて」
   と思ったのは(実感したのは)、何度目でしょうか。
   そのときは、「わかった」と思うのです。
   「つかんだ」と思うのです。
   でも、実践していくうちにわからなくなります。
   漠然としてきます。
   あのとき「つかんだ」ものがいつの間にか消えているのです。
   また、わからなくなるのです。
  
   一人ひとりが、私に教えてくれます。
   ※一人として、同じ子はいませんから。
   手がかかる子は、特に大切なことを教えてくれます。
  

  見えていない
  
   以前の職場に、このような人がいました。
  「平等、平等」
  「男女同権」
   いっていることは、正しいと思います。
   しかし、私には違和感がありました。
   都合のいいときだけ、「平等」「男女同権」というのです。
  「あなたは、独身だから時間があるでしょう」
  「あなた、男でしょう。校長交渉しなさいよ」
  「主婦は、大変なのよ」
   ごもっともです。
   だったら、「平等」とか「男女同権」とかいわなければいいのに…
   ミシンを廃棄するときのことです。
   30台のミシンを、3階からおろしました。
  「重たいから、女の私はできないわ」
  「あれっ、先生男女同権じゃないんですか」
  「…」
   最初で最後の一本勝ちでした。
  
   自分が矛盾していることが、見えていないのです。
   ※誰でもそうです。私も同様です。
  
   「平等」「同権」人間としては同じでしょう。
   でも、特質があると思うのです。
   それぞれの役割があると思うのです。
   同じことをしようとするから、うまくいかないと思うのです。
  
   今の職場、とってもいいです。
   みんな、よく働きます。
   それぞれの得意分野で活躍しています。
   他の人と同じことはしません。
   だから、うまくいっているのだと思います。
  

  自分のことは見えない
  
  「先生は、○○さんが好きなんでしょう」
   ある子がいいました。。
   ひいきしているというのです。
  
   その子にいいました。
   移動教室の途中、大雨の中転んでずぶぬれになったときつき合ったのはだれか。
  「みんなを残して、君につき添ったでしょう」
  「みんなはそれを見て、○○さんだけに…ずるいっていった?」
  「……」
   人のことはよく見えます。
   自分のことは見えないものです。
   指摘されて、初めて氣がつきます。
  「そうか…」
  「先生は、困っている人にかかわるんですよ」
  
   私のかかわり方は、一人ひとり違います。。
   それがわからないと、ひいきしているように見えるのかもしれません。
  
   かかわり方は、子どもによって違います。
   一律でいいわけがないと思います。
   自分が不得手なことをしているときは、よくわかるでしょう。
  みんなから、「はやくしろ」「まだ終わらないの」
  「先生は、○○くんだけ!」
  といわれたらどうでしょう。
   
   困っている場合、とくにかかわります。
   かかわり方は、一人ひとり違います。
   状況によっても違います。
   
   子どもたちに、このような話をしました。
  
   

  総合的に
  
  「先生は、私に親切」
  「先生は、みんなに親切」
   両方の思いがないと、うまくいきません。
   いろいろな家庭があります。
   愛情を欲している子も、たくさんいます。
  
   愛に飢えている子は、しつこいです。
   自分に甘く、人に厳しいです。
   このような子には、かかわりを密にします。
   授業中、休み時間。
   ・ほめる
   ・アドバイスする
   ・助ける
   ・一緒に遊ぶ
   ・会話する
   などなど。
  
   どのようにかかわるかは、一人ひとり違います。
   マニュアルは…できませんね。
   あまりにも違いすぎますので。
   ただし、総合的にかかわります。
   いろいろな角度からかかわります。

   元氣が出るように
  
   元氣がでるようにかかわります。
   その子が落ち込んでいるときは、とくにです。
   やる氣になるようにかかわります。
   いくら方法がよくても、やる氣がなければなんにもなりません。
  
   つきつめていくと、かかわる意味が見えてきます。
   ※あくまでも、私の場合ですが。
  
   叱ったり、怒ったりすることも、もちろんあります。
   多くの場合、子どもは伸びません。
   萎縮したり、落ち込んだり、開き直ったり…
   子どもと密にかかわっているので、なんとかなってきたのでしょう。
   他のところでフォローしていますので。
   無駄、無理が多いのです。
   叱ったり、怒ったりするかかわりは。
  
   その子が元氣になるように
   その子がやる氣になるように
  
   かかわるべきだ。
   その1点に、心を集中すべきだ。
  
   現在は、このように考えています。