超えたもの |
超えたもの ある番組を見ました。 「フードバトル」です。 どちらが時間内にたくさん食べられるか競う場面でした。 新井さんと山本さんの対戦でした。 くじを引き、印のついていた方が食材を選べます。 一回目、新井さんが勝ちました。 「シュウマイ」を選びました。 会場にどよめきが起こりました。 解説者も、驚いています。 山本さんが苦手な「すし」を選ばなかったからです。 戦いの常道は、相手の弱点を攻めることです。 この鉄則をはずしたのです。 コール権が自分にあるのに… どうして「すし」を選ばなかったのか… フェアというか、バカというか… 勝負に私情は禁物です。 勝つことより騎士道精神を優先させるのか? それで勝てなかったらどうするのか? すごい人だ。 なかなかできないことだ。 正々堂々と真正面から戦う。 相手の弱点を攻めない。 私の中で、2つの想いが交錯していました。 山本さんが勝ちました。 2回戦、今度は山本さんがコール権を得ました。 なんと「すし」を選んだのです。 自分が苦手なものを、あえて選んだのです。 どうして… わざわざ苦手な食材を選んだのか… 勝てなかったらどうするのか。 新井さんに応えたんだ。 彼が「すし」を選ばなかったから。 借りを返したんだ。 男だ! 私の中で、2つの想いが交錯していました。 山本さんが勝ちました。 熱いものがこみ上げてきました。 勝った山本さんも立派です。 負けた新井さんも立派です。 小細工なしに、正々堂々と、真正面から。 実にさわやかな戦いでした。 すがすがしかったです。 そこには、勝ち負けを超えたものがありました。 見えない何かが。 私もかくありたいと思いました。 教育も同様です。 利害、打算を超えたところに、教育は存在すると思います。 |