黒帯六条件に挑戦



 法則化運動にかかわっていたころの話です。
 教師になって3年目のことでした。
 向山氏が、プロ教師の条件(黒帯 初段レベル)を打ち出しました。
 それが、黒帯六条件です。
  
 1 すぐれた技術・方法を100学べ
 2 すぐれた授業の追試を100せよ
 3 研究授業を100回せよ
 4 研究会に100回参加せよ(ただし、文書で提案)
 5 法則化論文を100本書け
 6 身銭を切って学べ(研究会、本題などトータルで100万円使う)

 私は少林寺拳法4段です。その視点で見ると、あきらかに初段レベルを超えるものがあります。
 やさしいものと難しいものがごっちゃになっています。
 しかし、批判はしませんでした。
 批判するのは、黒帯六条件をクリアしてから と思ったのです。
 法則化運動(いろいろな問題もある)のいいところは、「事実で勝負」を打ち出したことです。言葉でなく行動でなのです。今はどうか知りませんけど…
「よし、挑戦するぞ!」
 口ではなく行動で。
 さっそく、挑戦開始!
 やさしいものから順に並べてみます。杉渕にとっては、6→4→5→→2→1→3です(人によって違うと思いますけど)。

 6 身銭を切って学べ(研究会、本題などトータルで100万円使う)
 月2万円本を買うとします。
 研究会や合宿に年2回程度参加します。
 そうすると、年間30万円くらいはいくでしょう。→3年でクリアできます。
 当時の私は、軽く年間100万円使っていました。
 結婚前は大富豪。
 今は見る影もありません(笑)

 月に4,5万は本を買っていました。
 (今は、買いたくても買えませんね!選んでいます)
 全国大会、合宿は10以上参加していました。
 法則化運動に出会う前にクリアしていたようです。

 4 研究会に100回参加せよ
 人によっては、けっこう時間がかかるかもしれません。
 それは、レポートを持っていくという条件があるからです。
 私の場合、新採のときからサークルに参加していました。
 法則化運動に出会う以前も、80%はレポートを持って参加していました。
 法則化にかかわってからは、ほとんどレポートを持っていきました。
 多いときは、月8つのサークルに参加していました。
 平均5つくらいでしょうか。
 2年くらいでクリアしたようです。

 5 法則化論文を100本書け
 300本以上の法則化論文を書きました。
 そのうちの100本は、4か月で一氣に書きました。
 その氣になれば、数ヶ月でクリアできるでしょう。
 1年でクリア。
 全部で、500本くらい書いたでしょうか?

 2 すぐれた授業の追試を100せよ
 100というのは、100時間のことだそうです。
 「春」、「やまなし」、「はな」、「ごみ」など、片っ端から追試しました。
 3年でクリア。

 1 すぐれた技術・方法を100学べ
 数えた時点で100は突破していました。
 2〜3年でクリアできるでしょう。
 
 問題は、3です。

 3 研究授業を100回せよ
 1年間に10回やっても、10年かかかります。
 普通は、年1回くらいでしょう。
 これは、初段レベルではありません。
 いくら小さな研究授業でいいといっても、そんなに見にきてくれるものではないですからね。
 
 杉渕の場合
  1年目  5回くらい(『ろくべいまってろよ』など)
  2年目  5回くらい(『大造じいさんとがん』など)
  3年目 30回くらい(『春』、『川とノリオ』、『やまなし』など)
  4年目 15回くらい(『磁石』、『ちいちゃんのかげおくり』など)
  5年目 20回くらい(『閉脚跳び』、『ものとその重さ』など)
  6年目 20回くらい(『連続技」』、『かたつむり』など)
  7年目 50回くらい(『じしゃく』、『見たこと作文』など)

 7年目は、毎週研究授業をやっていました。週に2回、講師をやっていた人が見にきたからです。その人のためになるようにと、毎回違った授業をやらせてもらいました。
 7年かかってようやく達成できたようです。

 すべてを合わて考えると、クリアするのに7年かかったことになります。
 このころから、自分流の教育創りを意識するようになりました。

 今の学校では、週3,4回くらいは研究授業をしています。
 (それほど大げさなものではありません)

 条件をクリアすると、「黒帯六条件」の批判などばからしくなってしまいました。 次なる課題が見えたからです。

 一応の目安とはなると思います。
 それなりの力はつきます。

 あなたも、挑戦してみてはいかがですか?