黙 動



 黙って、ただひたすらに行動する…
 これを黙動(もくどう)といいます。
 率先垂範とも違います。
 教師が自ら黙って行動します。
 しかも、さりげなく、さりげなく…

 子どもにさせるための手段ではないのです。
 教師がどれだけやるか、できるか
 教師自身の修行なのです。

 これを10年続けると、オーラが出てきます。

 「靴をそろえれば、クラスはよくなりますか」
 「…」
 よくなればやる、ならなければやらないという考えです。
 これではだめなのです。
 なぜだめなのか…
 わかる人にはわかります。
 わからない人にはわかりません。

 若い人への手紙より
 
  机拭きは、子どもにやらせているのではないでしょうね。
  それは、やめてくださいね。

  わかっていると思いますが…
  まずは、教師が子どもにわからないように拭くのです。
  「前途多難」とは、どういうことでしょうか。
  →そういう思いが子どもに伝わっていますよ。
  それなら、やらないほうがいいでしょう。

  子どものために黙ってする…
  私の言葉で言う「黙働」です。
  黙ってやるからいいのです。
  知られないからいいのです。
  不思議な力が生まれます。



  杉渕流 学級創り 秘伝編(笑)

  ◆不思議な力

  その1  表

  今のAさんは、オーラが出ていますね。
  これです。
  その人がいるだけで、周りが明るくなる
  楽しくなる
  相田みつをさんの詩です。
  

  その2  裏

  前述した「黙働」です。
  黙って行動すると、不思議な力が生まれます。


  この2つに力を注ぐと、学級がよくなります。
  普通の人は、1、2とも弱すぎますね。

  なんか疲れている…
  仕方なくやっている…

  そうではなく、自分が楽しんでいることが大事ですね。
  そのためには、好きなことを思いっきりすることです。
 
  「黙働」
  これをやっている人は、少ないですね。
  ほとんどいないと思います。
  「あんたのために、やってんのよ」
  教師の親切は、押しつけがましいのです。

  相手が感じない(表層レベルでは)親切がいいです。
  深層では、キャッチしていますから。

 黙動は意識しないとできません。
 意識するとできません。
 禅問答みたいですね(笑)


 ただただひたすら  只管打黙動

 黙動、ただただ、ひたすら行動することです。
 そこには、いっさいの「思考」が入りません。
「こうしたら、子どもはよくなる」
「これだけやっているのだから、子どもがよくなる」
など、考えません。
 つまり、効果とか成果とかを考えないのでやるのです。
「効果があるならやります。でも、ないのならやりません」
 氣持ちはわかりますが…
 そんな考えでは、学級はよくなりません。
 なぜって、作為には感動がないからです。
 打算には、感動がないからです。

 人を感動させるのは、人の心である
 

 効果、成果は、あとからついてきます。