若手のみなさんへ |
若手のみなさんへ はじめまして。 みなさんは、経験1年目、2年目だそうですね。 今、一番大切な時期です。 その人の教師人生は、最初の3年間をどう過ごすかで決まる といっても過言ではないでしょう(「最初の3年が勝負」これは、本当です)。 教師の仕事は、奥が深いです。やればやるほどそれを感じます。 教師が努力した分、子どもはよくなります。でも、ひとりよがりの努力ではいけません。子どもにとってよかったかどうかが問題です。 今回は、努力の量、質、方向性について考えてみましょう。 努力の量・質・方向性量 私の場合、今は、家庭があるので、量はこなせません。 もっとやりたいことがあるのに…、これをやれば、子どもが伸びるのに…できません。時間的な問題です。 若い人は、物理的な時間があります。お金もあります。時間をかけ、お金をかけられますね(本を買う、研究会に参加する、授業を見に行く)。うらやましい限りです。 たくさん本を読みましょう。 実践記録をたくさん書きましょう。 授業・学級を見に行きましょう。 量をこなしているうちに、感覚が身についてきます。見る目が鍛えられてきます。授業のポイントもわかってきます。 つまり、量をこなしていくうちに質が向上するのです。 質 質を上げる努力とは…これは高度です。 今は、方向をつかむ方が大切です。いずれ…。 いくつかヒントを書いておきましょう。 たとえば、10分教材研究したとしましょう。みなさんと、きちんと修行した経験17年の人では当然のことながら、質が違います。見るべきポイントを知っているかどうかということがからんできます。 授業においても同様です。指導者の質によって、子どもはすごくなったり、あるところで止まったりします。 質の中身を追究するのは、もう少ししてからでいいでしょう。 方向性 これは、見落としやすいところです。 多くの人は、ぶれているかずれているか どちらかです。 私の学校でもそうです。 「廊下を走っている」(看護当番) 「一輪車の片づけがよくない」(看護当番) と顔をしかめたり、 「子どもの聴き方がよくなった」 と喜んだりしています。 現象だけを見て、一喜一憂しているのです。 行動の背後にあるものを見ようとしないのです。 「一輪車を片づけなさい」といわなくても、子どもがきちんと片づけるようになる。これが教師の努力すべきことなのです。 直接そのことをいってはいけないのです。また、いっても、改善されるものではありません。 ですから、私の努力は「いかに子どもの意識を変えるか」の一点に集中します。 やる氣を引き出すといってもいいでしょう。 そのために、次の点を見つける努力をします。 1 ポイントを見つける。→具体的な言葉かけ、指導を考える。 2 細分化する。→この場合でいえば、「一輪車を片づけるようになるための100のステップ」を考える。 量、質、方向性、この3つが合わさると、実力が飛躍的に向上します。 まず、方向性から始めましょう。 多くの人はここで道を間違えます。 ですから、いくら努力しても学級がよくならないのです。 岡山に行こうとして、東北新幹線に乗るようなものです。 自分は間違っていないと思っているのですから、修正できません。 毎日のように、方向性はいいかどうかを確認しましょう。そうしないと、知らないうちにずれてきます。だれでもそうです。 車掌さんが指さしで声を出して確認するように確認してみましょう。 この道を歩き始めなければ、いつまでたっても0です。「千里の道も一歩から」といいますが、スタートラインに立てないのですから、お話になりません。 スタートラインに立ってください。 量をこなしましょう。たくさんやりましょう。できる人はどんどんやってください。できない人は、少しずつ増やしていきましょう。いつか質に転化します 方向性を確認し、量をこなしているうちに、自然と質が上がってきます。 こうなったら意識的に(質)を追究しましょう。 実力をつける方法 次にあげる方法は、私にとって最も効果的だったものです。
このようなサイクルでやります。 私のサークルでも、このようにやった人は驚くほど成長しました。 やらない人は成長しません(笑) 1 実践する 自分が得意なこと、やりたいことからやりましょう。 楽しみながらやるのが一番です。 中には、それどころではない人もいるでしょう。「目の前が火事」になっている人はいませんか。そういう人は、火消しから始めても良いのです。必要に迫られていることから始めてもいいのです。 着手するのはまず1つ、いわゆる「一点突破」です。あれもこれもやろうとすると、どれも中途半端になります。「これだけはやる」と決めてやるのがいいと思います。 その実践があるところまでいったら、次の実践をやります。 このようにして、1つひとつ得意なものを増やしていきましょう。 2 記録を書く 実践記録は毎日書きましょう。最初は、どんな書き方でもいいです。ノート、パソコンを使ってなど、自分のやりたい方法でやってみましょう(パソコンを使うと、あとあと便利です)。 何を書くかに迷うと思いますが、そこにあなたの問題意識があらわれるのです。書くことにより、自分の問題意識がはっきりしてきます。 やったことを克明に記録します。 何でも書いておくといいでしょう。 テーマを決めて書くのもいいと思います。 3 考察する(その1) 自分の実践を振り返りましょう。 氣がついたことを書いてみましょう。 よかったこと、よくなかったこと、わかったこと、わからないことなど、なんでもいいのです。 4 見てもらう アドバイスしてもらう 人間は自分の力に合った範囲でしかものが見えません。 実力ある人に見てもらい、いろいろと指摘してもらいましょう。 大きなヒントをもらえると思います。 次に何をすべきか見えてくると思います。 5 考察する(その2) 「あーあ、まただ」同じ落とし穴に何回も落ちている人はいませんか(かくいう私もそうでした)?あるってわかってて落ちるんですね。これが。 この考察が大切です。成長するかどうかの勝負所です。 どうしてあの人は、こんなことがわかるのか、氣づくのか…など考えるのです。自分との違いを考えましょう。落ち込む必要はありません。 自分なりに消化しましょう(できない場合は、アドバイス通りにやることも大切)。 6 実践する さあ、実践しましょう。前回とは違うはずです。 少しパワーアップしました。楽しみですね。どうなるか。 私は、わくわくしながら授業にのぞみます。 このサイクルでやっていきましょう。 1年後、あなたはものすごい力がついています。 サークルに参加する場合も、これをやっていくかやっていかないかで、大きな違いが出てきます。 前者は大きく成長するでしょう。 後者は、あまり力がつかないでしょう。 人の話を聴くと勉強にはなります。しかし、力はつきません。 サークルに出席するだけでは力はつかないのです。 参加(全力を出した実践の記録をもっていくこと)しましょう。若人のみなさん! さあ、始めましょう。 といっても… とどのつまり、モチベーションでしょう。 目的がないと… パワーが出ませんね。 |