劇的変化をはかる技 

  
 劇的変化をはかる
                 

「勉強っておもしろい」と思わせ、子どもをやる氣にさせる工夫を紹介する
(※いずれも、2年生初期の実践)。

 ◆音読の学習 豊富なバリエーション
 次の箇所(『スイミー』)を扱う。
「だめだよ。大きな魚に食べられてしまうよ」 いろいろな例を出し、実際にやってみせる。 
 ・怖がっているように
 ・泣きながら
 ・ぶるぶる震えて
 ・怒ったように
 ・あきらめたように
 見本と言葉でイメージ化をはかる。
 子どもたちは、「こんなにたくさんの読み方があるのか」とびっくりする。
「音読って、おもしろいね」
「いろいろな読み方ができるんだね」

 ◆漢字の学習  ゲーム化
「漢字たし算をします。たとえば、木+木は…林です。口+玉は…国ですね。それでは、始めます。10以上見つけましょう」
 しばらくすると、苦手な子が、聴きにくる。「先生、辞書見ていいですか」
「教科書で調べていいですか」
 いわれなくても、漢字を書き、辞書を引く。 子どもたちは、どんどん見つける。
 木+木+木=森、、木+交=校、田+力=男、夕+夕=多、日+十=早、夕+口=名、一+白=百などなど。
「先生、15個見つけたよ!」
 うれしそうに、報告にくる。
「どの班が、一番見つけるでしょう」
 班対抗でやると、燃える燃える。
 いわれなくても協力する。

 ◆計算の学習 コツの伝授
 10−8、10−4など、10−□の計算をやらせる。苦手な子にとっては難しい問題である。10題やるのに、おそろしく時間がかかる。30秒かかってもできない子もいる。
 そこで、コツを教える
「引き算は、たし算、組み合わせを覚えよう」 復唱させる。
「10引く2は、8ですね。2に何をたせば10になりますか(「8」)」
「そうですね。では、5では?(「5」)」
「8と2、2と8、たし算は、逆にしても答えは同じですね」
 0と10、1と9(9と1)、2と8(8と2)、3と7(7と3)4と6(6と4)5と5、組み合わせを覚えさせる。
 わけがわかった子は、急に速くなる。30秒切れなかった子が、2回の練習で9秒にスピードアップ。
「先生、10秒切れた!」
「Aさん、すごい!」
 本人もまわりもびっくり仰天。
「先生、算数が好きになった」 (Aさん)
「現金だね」(笑)
 できるとおもしろい。できると好きになる
 「おもしろい」と思わせる働きかけを一工夫すると、苦痛が楽しみに変わる。
 学苦習(がくしゅう)→楽習(らくしゅう)へ劇的変化をはかりたい。