授業の原則



学習態度の養成

 

 

教え

 

 

指導する

 

 

3つの構え

 

 

    心構え

 

 

    身構え

 

 

    物構え

 


 

 

 

学習態度の養成

 

 

 
 すべての土台になるもの、すべてに活かせるものに目を向けましょう。

 国語、算数、理科、生活指導…一つひとつをやっても、あまり効果はありません。前提となるものが抜けているからです。

 前提となるもの、それは、
学習態度です。

 チャイムが鳴っても、なかなか授業を始められなかったことはありませんか。子どもが帰ってこない。教科書・ノートを準備していない。ぺちゃくちゃしゃべっている。手いたずらしている。日常的な光景だと思います。
 授業を始めるまでに、5分、いや10分もかかるということはありませんか(ちなみに、私は荒れた学級をもったとき20分以上かかったことがあります)。
 4月なら、しょうがないかもしれません。でも、2学期になっても同じようだったらどうでしょう。毎回、5分も時間を無駄にする、実に効率が悪いですね。
 3学期になっても事態が変わらない…
 教師はいったい何をやっていたのでしょうか。
 あなたの指導力が問われることになります。

 学習態度がよくなれば、教師が「始めます」といったとき、子どもたちは教科書・ノートを開いて待っています。いや、もっと向上すると、すでに学習を始めています。実に効率がいいのです。

 力を注ぐべきは、学習態度の養成です。

 生活指導を機能させましょう。
 授業の中で活かしましょう。



 

 



 

 

 

こういうものなのです

 

 

 
 基本的なことはしっかり教えることが必要です。これをおろそかにすると大変です。「子どもたちの自主性に任せて」そんな甘いことをいっているととんでもないことになります(子どもの自主性に任せてやっていける人は、ものすごい実力者か、まったくわかっていない人かのどちらかでしょう)。
 教えるべきことは、きちんと教えましょう。

 
たとえば、私語の問題です。
 フレネ学校(フランスにある学校)を参観すると、たいがいの人が驚きます。休み時間が終わると、さっと子どもたちが教室に帰ってきます。しゃべる子はいません。教師がいなくても、だまって学習を始めます。
 参観した私の友人が聴きました。
「どうしてあなたたち
はおしゃべりをしないの。日本の子は、おしゃべりするのに」
 すると、その子は不思議そうに聴き返しました。
「どうして、日本の子はしゃべるのですか」
「…」
 友人は、言葉を失いました。

 
フレネ学校では、学習が始まったらしゃべらないのがあたりまえなのです。これは、驚きですよ。考えられない光景です。
 日本
どうでしょうか。力のある教師が受け持つクラスは別として、だいたいしゃべっているのではないでしょうか。
 どうして、子どもたちはしゃべるので
しょう。

 それは、教えられていないことにつきます。「
いや、私は教えている。それなのに子どもたちはおしゃべりをする」という人もいるでしょうね。しかし、やはり、教えられてないのです。
「授業が始まったら、静かに学習するものです」
 どうしてなどといわせないことが大切です。これは考えさせることではなく、「こういうものだ」と教えるべきことです

 何でも、子どもに考えさせればいいのではありません。
 教えるべきことは、きっちり教えましょう。

「先生、どうしてしゃべっちゃいけないの」
このように聴く子がいます。このとき、「それは、人の迷惑になるから…」などと答えてはいけません。
「こういうものなんです」
びしっといいましょう。氣迫が大切です。
 それでもしつこく食い下がる子には、
「あなたは、テレビを見るとき、勉強しますか」
「?」
「テレビを見るときは、テレビを見るのです」

 教えるべきことは、「こういうものなのです」と教えることです

 

 

 

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指導とは

 

 


 「学習態度を育てているのだがうまくいかない」という話をよく聴きます。
「指導しているんですけどね…」
 授業を見せてもらって思うことは、指導になっていないということです。
 ポイントを押さえていない指導は、指導とはいえません。
 例えば、授業を始めるとき、ひじをついている子がいます。背中が曲がっている子がいます。しかもたーくさんいます。
「これから、3時間目の授業を始めます」
日直が力の抜けた声でいいます。
「はーい」
いかにも間が抜けた返事。
 それでいて、担任は何の注意もしません。
 注意をしないのは、「これでいい」と子どもたちに教えているようなものです。
 指導には、厳しさが必要です。「これだけは」という線を決めなければいけません。
 それがないから、学級が崩れるのです。
 最低線を決める、それをきちんとやらせる(もちろん、教師自らもやるのです)のが指導だと思います。

 もう一つ。
 指導とは、具体的であるべきです。授業を見ると、実に抽象的な指導が多いですね。「もっと、きちんと書きなさい」「きれいにやりなさい」とか。
 授業が終わってから聴いてみたことがあります。
「『きちんと書く』って、具体的にどう書くことですか?」
「えっ?」
 即答できません。結局、明確な答えを聴くことができませんでした。
 このように、指導者のイメージがはっきりしていない場合が多いのです。
 自分がわからないのですから、子どもにわかるわけがありません。
 指導は、具体的であるべきです。

 

 

 

 





 

 

 

3つの構え

 

 

 学習態度の養成にあたり、子どもたちに3つの構えを教えましょう。
  心構え
  身構え
  物構え

 前提条件として絶対に必要なことがあります。教師自ら実践することです。自分はやらないくせに、子どもにやらせようとしてもうまくいきません。自らが汗を流さない限り、子どもの学習
態度はよくなりませんので。

 

 

 

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心構え

 

 

 学習に対する心構えです